WCPロシア これもベストゲーム

ということで決勝トーナメント最初からの好カード　フランスvsアルゼンチン！　
フランスは初戦見て機能していないなぁ。ぎくしゃくしてるなぁ。と心配だった。
2,3戦も1-0、0-0と地味な試合だったみたい。
それでもしっかりと決勝トーナメントに上がってくる。

試合の注目はもちろんメッシ、あとはアルゼンチンの守備をフランスが
どうこじ開けるかと思っていたのだが、予想の範疇を越えた選手がいた。
フランスのMPABE（ムパベでいいのかな）
なんだこの選手。初戦でほとんど名前聞かなかったぞ。活躍していなかったと思う。
19歳でフランス代表の10番を背負うスーパースター予備群の1人とだけ知っていたが。

まあこの試合見て驚いた。恐るべし早さ、うまさ、そして嗅覚。
決勝トーナメントということで、両国ともグループリーグとは全く違う動き、
気合いの入り方だったけど、このムパベはその上がり方が尋常じゃない。
1点目のPK取ったのも、一瞬の動き加速でDFを置き去りに。
仕方なくPAの外でファール止めを狙ったのだがそれすらも追いつかず、結局PA内に
引きずられてファールでPK献上に。
解説者もギアが違いすぎると言った程の爆発的な加速力。そして強さ。
それまでチャンスらしいチャンスを作れていなかった局面を縦パス１本でPKにしてみせた。
これを決めてまずフランス先制。試合としてはフランスリードの方が面白い。

当然アルゼンチンは点を取りにくる。けどメッシは13番のピッタリマンマークで
パスを受けても前を向けないような状況。サイドからのえぐりもフランスの高さに負ける。
こりゃアルゼンチン苦しいなと思っていたところで、PAの5m以上外からのイグアインの
もの凄いミドルシュートが一閃。たちまち1-1の同点に。
あの位置からなのにGKが飛んでも全く触れることもできない、これぞスーパーゴール。

しかしお互いに持ち味のパスワークからの崩しができないのに、個人技一閃で得点
できるのはさすがトップチーム。しかしよく前半で同点に追いついたよ。
いやはや決勝トーナメント1回戦でこの展開。生で観て良かったわ。
ドキドキの後半が始まった。
アルゼンチンが一気にリードできるか？という雰囲気だったのだが、その予想通りに
後半10分頃にPAちょい外からのメッシの強引なシュートをFWが触って角度変えて
見事にゴールネットへ。これでついにアルゼンチンがリードを奪う。

こうなればもう雰囲気は一気にアルゼンチン。会場の8割以上のアルゼンチンサポーター
の大声援もあって、圧倒的な雰囲気に。
しかしこの大事な試合の流れを相手に一気に渡さないトップチームの凄さが出る。
しかもさっきのイグアインのスーパゴールへのお返しのようなフランスDFのスーパー
ボレーシュートが突き刺さる。
左サイドへの縦１本で切り込んでクロス、クリアを直接ゴール角に叩き込むボレーシュート。
解説の元FW福田さんが、このレベルの選手でも100本に1本決まるかどうかと言うほどの
まさしくスーパゴール。
これでまた両チームともに激しい主導権争い。けどメッシへのマークは相変わらず。
なかなかPA内まで持ち込むことができない。
少ないチャンスで短いスルーパスなどはあったがフランスのCBは落ち着いている。

そのうちにまたしてもムパベのショータイムが出始める。
その驚異的スピードで何度かカウンターからの飛び出しが始まる。
アルゼンチンも前半でイエロー喰らったCBを交代させてなんとか食い止めていたが、
コーナーからのこぼれ球をアッという間に拾って抜けてゴール前混戦から
素晴らしい一瞬の瞬発力と振り幅の小さいけど強烈なシュートで、ほぼ正面にいた
GKの足元を抜いての3点目。何だあの素早や。ムパベ恐るべし。
これで3-2とフランス再びリード。

負ければ終わりの決勝トーナメント、アルゼンチンも必死の攻め。
リスクを承知で上げて攻撃態勢。けどやはり頼みのメッシは切れが今一つ。
囲まれて奪われるケースが増える。

逆にアルゼンチンが高い位置からのプレスをかけた瞬間、中盤にポッカリと
空いたスペースを狙ってのフランスのカウンター。
前線のプレスのおかげで守備が少ない状態から、スピードに乗ったムパベに
決定的な3点目を叩き込まれる。

最後の最後、ロスタイム残り2分でメッシからのクロスをアグエロがどんぴしゃりの
タイミングでヘッド決めて4-3、ロスタイムアップの最後のプレーでアルゼンチンは
クロスまで上げたが、最後のシュートは成らず。
ここで死闘の幕切れ。

ハラハラドキドキの試合はムパベというスーパースターを全世界に知らせる舞台となり
フランスの勝利。

いやはや、期待以上の好ゲーム。スペインvsポルトガルよりもスゴいゲームが
決勝トーナメント1回戦とは。これぞWCUPの決勝トーナメントだよ。